2008年12月30日火曜日

年内最後に、全体のパーツで仮組み立て

ワイヤーカッターのマシーンの前にずっしりとした重量感で立ち上がった、
仮組されたパーツ達の結晶。

完成まで、まだまだ先はありますがとても嬉しい気持ちです。

トップポールと60°で組み合うアームとの美しい造形。
メカニカルかつ洗練されたモダンなデザインです。
3本脚のベースはまだ無骨ですが、来年美しいラインへと形を変えます。 本日、年内最後の打ち合わせ。
まだ未完成ではありますが、年内にここまで満足できる形なった事を製作所の皆さんに感謝いたします。
本年は、本当にいろいろとお世話になり有難うございました。
2009年も素晴らしい物を造る為に、力をお貸し下さい。

では、良いお年を。

2008年12月29日月曜日

ワイヤーカッカーの凄さ


これが、ワイヤーカッターの切断の残とこれから旋盤の工程に進む材料です。簡単に見えるパーツの一つ一つが、この作業から始まります。
横系がこのワイヤーカッターで縦系が旋盤工程になり、
これだけの厚みの真鍮の素材が使われます。

継ぎ目もそうですがステンレスでも、この厚さでも0.5mm以下の歯で精密に切断できます。明日、今年最後の打ち合わせです。
大体ですが全体の仮組みが出来そうです。

今のところ生産コストもとんでも無い状況ですが、
納得できるプライスと販売方法を検討しております。

シェードコントロールノブ


ワイヤーカッター後専用の治具を作り旋盤行程でいくか、
旋盤加工の後のワイヤーカッターの工程かを打ち合わせ。
つくずく、この設計と当時の技術に脱帽ですが、
逆にもう止められない意識にもなります。

2008年12月28日日曜日

スイッチ

これは、オリジナルのフットスイッチです。(arredoluce / 後期型)

まったく同じものです。


ロータリースイッチ、プッシュスイッチなどデッドスットクを4種類仕入れましたが、
使い易さと設計上の問題でこれに決定しました。

配線(コード)も当時のオリジナル同様のものを輸入できますが、
安全上、コードは国産の新品を使用します。

ソケット

これは、オリジナル(中期型 / 50年代)です。

ほぼ同じですがこれは60年代のデットストックの為、メーカーは同じですが多少違っています。

アイアンスチールのアームバランスとの重量を考え陶器製のソケットです。
これで、どっしりとした高級感と安定を保ちます。

電源プラグ

これはオリジナルのプラグです。


デッドストックの同じ物をアメリカから仕入れることが出来ました。

当時のジョージ ネルソンのハワードミラー製のボールクロック等も同じ物を使っています。

実は、イタリア製(arteluce)ですが、アメリカ用に輸出されたものは製品ではなく
電気部品と配線、組み立てはアメリカでおこなわれていました。

たしかにヨーロッパとアメリカの電圧は違うのでうなずけます。
また、配線は全て中通しのでかなり大きな物なので、完成品は輸出コストを考えたのでしょう。

楽器でもそうですが、当時は良くある事でした。

2008年12月26日金曜日

シングルアーム

この画像はサルファッティの、とても珍しいシングルアームのオリジナルです。
145cmのポールに145cmのアームで、大き過ぎでアームが歪みます。
とても、シンプルでよいのですが、やはり後期の為、ベースが今一です。
バランスが取れていない様、私は感じます。
やはり、絶対の安定は三脚ベースです(カメラの3脚同様)が、
動く物には最低4本の足が必要です。
但し均等でなければ、がたつきがでます。
eamesもある時期は3本の足の椅子を設計をしましたが製品化には至らず、
いずれラウンジチアーで、回転やどの方向の体重移動にも対応できる5本足の設計になっています。
オットマンはさほど動きのない垂直安定の為、4本足で設計してる様です。
(いい加減なレプレカは、意味なくオットマンも5本足です)
こんな感じで、ちゃんと理由が有る設計で日本の住宅環境に合うサイズで、オリジナルを超える物も企画検討中です。

2008年12月25日木曜日

ランプシェード / 生産販売予定

生産販売予定数です。

三本アーム

トリコロール(ブラック、グレー、アイボリー) x 13 本
単色(ブラック x 3) x 8 本
単色(アイボリー x 3) x 7 本

一本アーム

単色(ブラック) x 7 本
単色(グレー) x 3 本
単色(アイボリー) x 6 本

ヘラ絞り加工中です。(シェードは初期型のミディアムです)
アイボリー、グレー、ブラックの3色で、単色、トリコロールでの販売予定です。
こちらの加工は東京でも世界的にTOPですが、
何社かご連絡させて頂き、価格の比較と言うより暖かく楽しく真剣な方と思える大阪の工場さんにお願い致しております。
先払い、C.O.Dが初回のお取引は基本だと思うのですが、そんな事よりも依頼に対してまず動く、そして依頼に答える事と、お金の請求は後になる方ばかりです。
年末、お急がしい中、
こんな素人の私のお仕事を受けをって頂いて、とても感謝しております。

トップポール


アーム連結の重要なパーツ
仮組みにより、いろいろ調整箇所が見えてきました。
製作所の社長さんも、私以上に真剣に考えて下さり一緒に作り上げる
完成までの努力と喜びを感じさせて頂いております。
自己満足ではなく、たずさわって頂いてる関連の工場さんの方の為にも、
きちんと販売計画を煮詰めて頑張りたいと思います。

ベース

かなりの重量を支える、3本足のベースです。

この足が、一番大変ですがやはりキャストと言う訳には、いきません。
強度はやはり無垢素材の削り出しです。

図面的にも、技術的にも信頼のおけるこちらの製作所の方々に頼るかぎりです。

アームバランス

仮組み。
アイアンスチールの無垢はさすがにずっしりきます。

3次元立体図面



3Dの立体図面をとる為に一部、型取りしての計測作業 です。
型取りした型からの、計測です。
凹の部分の計測をする為、一度凸に置き換えます。
通常の削り出しでは不可能なパーツですが、設備により可能となります。びっくりです。


トップポールジョイント

昨日は、8工程まで完成。 本日は、外側の削り出し

仮に組むとこの様になります。
連結部分も、完璧です。
この後は、バフ掛けとメッキ処理という工程へ進みます。

ベースジョイント

昨日は、内側の工程まで完成。 本日は、外側の削りだしまで仕上がりました。

2008年12月24日水曜日

各部位のパーツと、アームアジャストベース

未完成ではありますが、美しいパーツの卵たちが生まれています。
第一工程、第二工程、、、、いずれ最終工程まで ...

とても楽しみで、わくわくします。

アームアジャストベースも次の工程で、綺麗なカーブへと。

アーム、アームアジャストベース



すべて無垢素材からの削りだしです。
アームアジャストベースのラウンドはまだ第一段階ですが、
バイト(削る為の歯)も作る事が可能な、スペシャルな製作所ですので、
荒削りと本削りの2工程で作成致します。
一気に加工しない、正確さの理由です。

アームステイ、アームアジャストスクリュー、アームバランス



アームバランスとセンターポールベースのみアイアンスチールです。
強度と重量が設計の基本ですね。

オリジナル同様の焼きつけの塗装予定です。
他の個所はクロームメッキ後に経年後のメッキの浮きが出ないように真鍮素材です。

納得です。
50年以上前のものが、この美しい姿でいられるのが理解できます。

ワイヤーカッター

まずは、ワッシャーなど見えないパーツも全てオリジナルと考えて高性能なワイヤーカッターにより再現、
こちらの製作所の方曰く硬いステンレスも楽勝なので、真鍮はさくさく切れて楽なんだけど...

素材に関係なく時間はかかる様です。(それだけ精密だと言うことです)
細かいパーツや企画外のネジピッチも再現

Gino Sarfatti / Trienalle

私がこのランプに魅せられたのは、15年以上前の事です。
1950年代にこんなにモダンで美しい物が、一人のデザイナーにより誕生しました。

欲しくて欲しくてたまりませんでしたが、数年後やっと手に入れる事が出来ました。
自分のリビングにあるのが嬉しくて、満足感で一杯で眺めてた事を思い出します。

2本目を購入できたのですが、一部パーツが欠損していた為に
以前からお世話になっている、製作所の方に相談させて頂いたところ、

もしかして、一部のパーツではなく全て作る事が可能と...一気に可能性が膨らみました。
服もそうですが、大好きな物を真剣に取り組み完成した物は何か結果がでるのではと信じています。

ジェネリック リプロダクトとして、イタリアに負けない日本の技術と設計を提案したく
現在、生産企画致しております。